ねーねー!見て見て!
こんなの作ったの、私!すごくない!?

まずは娘にドヤ顔で披露。
「ちょっと触ってみてよ!」とスマホを差し出す。

ポチポチ…と適当に押されるボタンたち。

「で?これ、なにするの?」
「い、いや……その……」
「なんだー。これだけ?なんかゲームでも作ったのかと思った」

…。

(ぐっ…これは刺さる)

「わーー!ごめんごめん!まりぴすごいよ!ほんとすごい!!」
※中学生に気を遣われる母であった。


次に旦那。多少麻雀は分かる。
なんの説明もせず、触ってもらう。

…………(沈黙)
止まる手。止まる空気。
まったく押してほしいところを押さない。

「画像で選べるんだよ〜」と横から声をかけるも、
なぜか入力欄をタップして、キーボードが出てくる。

そこじゃない!

固まる旦那。止まる時。笑いをこらえる私。

ようやく重い腰が動き、いろんなボタンを押し始める。
でも、出てきた牌画像をタップしても消えることに気づかない。
いやそこ、打牌選択できるんですよ!!

画像の部分は完全スルー。
慎重すぎやろ!

正反対の親子を見ながら思った。

「もしかして…適当にポチポチ押してた娘の方がまだマシなんじゃ?」

そう思った、ある春の夜。